Smiley face
写真・図版
ナイターが終わった後のエスコンフィールド北海道=北海道北広島市、畑中謙一郎撮影

 経営再建中のJR北海道が13日発表した2024年9月中間決算は、売上高が前年同期より16億円(2.2%)増の755億円だった。プロ野球日本ハムが強かったことに加えてアニメ「名探偵コナン」の人気、道外からの避暑客などで乗客が増えた。ただ利益は、物価高による資材・人件費の高止まりなどで減った。

 売り上げのうち鉄道収入は25億円(7.2%)増の375億円だった。在来線は日本ハムの観客動員が好調で、クライマックスシリーズ第1ステージを本拠地エスコンフィールド北海道(北広島市)で初開催したこともあり、球場最寄りのJR北広島駅を通る千歳線の乗客が増えた。

 3月から日中は10分間隔に増便した「快速エアポート」は、通勤・通学客やインバウンド客の需要を取り込み、7~9月の1日あたりの乗客数は年度初めの目標より3600人増えて6万2300人になった。

 北海道新幹線は、4月に公開された「コナン」の劇場版最新作の舞台となった函館市にファンが集まったり、本州以南の猛暑を避けようとした人が利用したりして、7~9月の1日の乗客数は目標より500人増の5900人だった。

 ただ、本業のもうけを示す営業損益は、赤字幅が3億円膨らみ178億円の赤字、純損益は31億円減の85億円の黒字だった。資材費などの高止まりや昨年8月の札幌駅南口の「エスタ」閉館による不動産収入の減少に加え、国鉄分割民営化の際に国から与えられた「経営安定基金」の運用益が34億円減ったことが響いた。(上地兼太郎)

共有